
(Vo)ヒカリトのヴァイオリンの音色から始まる楽曲「Clear Gray」からAIOLINのライブが幕開け。
煌びやかな衣装を纏った4人が、
バンドのコンセプトである「唯一無二の音楽の空間」を美麗に作り上げていく。

2曲目「Orpheus」は、ファンの一体感と、ヒカリトが情感たっぷりに歌い上げる姿がとても印象的だった。
ヒカリトはこの曲以外の時でも、1人1人の観客に向かい、歌い掛ける姿が見受けられた。
表情はもちろんの事、体全体を使いながら、その楽曲を情感たっぷりに歌い表現する。
その姿にはファンならずとも目が離せなくなる。

ラストはコロナ禍の中生まれた新曲「Snowdrop」を披露。
メロディアスな進行と、サビの(Ba)レイスのコーラスがとても心地よい。

「何回掛け違えたって ずっと会えると思っていた」というサビの歌詞が印象深い。
すれ違う思いや、果たされない約束を綴った切ない歌詞なのだが、最後には希望も垣間見える。
コロナ禍の今後のバンドの在り方を象徴するような、強く優しい曲でライブを締め括った。

MCでは、「音楽と言葉」「全力のパフォーマンス」
何か一つでも聴いてくれた方の心に残せたら…と語っていたAIOLIN。
想いや情感を想像できる程、絶妙な歌詞を作る語彙の選び方、またそれらを彩るメロディセンス。
AIOLINの楽曲はどの曲も角度が鋭く、それでいてとても美しい。
来場した人々の心の中に、「一つ」だけでは留まらない、確実なインパクトを残したステージだった。